2026年9月13日
こんにちは!院長の渡邊です。
インプラント治療が終わったあと、
「インプラントの周りの歯ぐきが腫れている」
「歯みがきをすると血が出る」
「インプラントのところから膿が出ている気がする」
といった症状が気になることはありませんか?
インプラントはむし歯にはなりませんが、治療が終われば一生何のトラブルも起こらない、というわけではありません。
特に注意したいものの一つが、**「インプラント周囲炎」**です。
今回は、インプラントを長く使っていただくためにも知っておいてほしい、インプラント周囲炎の症状・原因・治療・予防についてご説明します。
他院で治療を受けたインプラントについてもご相談いただけますので、
「以前入れたインプラントの周りが最近腫れてきた」という方もぜひ参考にしてください。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に細菌による炎症が起こり、インプラントを支えている骨にまで炎症が及んだ状態です。
天然歯に起こる「歯周病」と似ています。
インプラント周囲の炎症には段階があり、歯ぐきなどの軟組織に炎症がとどまり、
インプラントを支える骨の進行性の吸収を伴わない状態は、一般に**「インプラント周囲粘膜炎」**と呼ばれます。
そこから炎症が進行し、インプラント周囲の骨が失われていく状態が**「インプラント周囲炎」**です。
つまり、
インプラント周囲粘膜炎 → 炎症が歯ぐきにとどまっている
インプラント周囲炎 → インプラントを支える骨にまで影響している
という違いがあります。
早い段階で炎症に気付き、適切に対応することが非常に重要です。
こんな症状があれば注意してください
インプラント周囲炎では、
・インプラント周囲の歯ぐきが赤い、腫れている
・歯みがきのときに出血する
・歯ぐきを押すと膿が出る
・違和感や痛みがある
・口臭が気になる
・歯ぐきが下がり、インプラントの根元部分が以前より見えるようになった
などの症状がみられることがあります。

ただし、ここで注意していただきたいのが、初期には自覚症状がほとんどないこともあるという点です。
「痛くないから大丈夫」とは限りません。
定期検診で歯ぐきの状態を確認したり、必要に応じてレントゲン撮影を行ったりすることが、早期発見につながります。
なぜインプラント周囲炎になるの?
大きな原因の一つは、天然歯の歯周病と同様、プラーク(歯垢)による細菌感染です。
インプラントの周囲にプラークが蓄積すると、まず歯ぐきに炎症が起こります。
その状態が進行すると、インプラントを支える骨にまで炎症が及ぶことがあります。
また、インプラント周囲炎にはさまざまなリスク因子が関係します。
特に、
・歯周病に罹患した歯が近くにがある
・インプラント周囲を十分に清掃できていない
・定期的なメインテナンスを受けていない
・喫煙習慣がある
・糖尿病など全身状態の影響がある
といった場合には注意が必要です。
また、インプラントの被せ物の形態や清掃のしやすさ、インプラントの位置なども、長期的な管理を考えるうえで重要です。
だからこそ当院では、インプラント治療を行う際に「インプラントを入れること」だけではなく、
その後患者さま自身がきちんと清掃できる状態を作ることも大切にしています。
インプラント周囲炎はどのように診断する?
「歯ぐきが腫れている=インプラント周囲炎」とは限りません。
診察では、
・インプラント周囲の歯ぐきの状態
・出血や排膿の有無
・プラークの付着状態
・歯周ポケットの状態
・インプラントの動揺の有無
・咬み合わせや上部構造の状態
などを確認します。
さらに必要に応じてレントゲン撮影を行い、
インプラント周囲の骨がどの程度残っているか、以前と比較して骨が減少していないかを確認します。
インプラント周囲炎の治療では、まず現在どの程度まで病気が進行しているのかを把握することが重要です。
インプラント周囲炎はどうやって治療する?
治療方法は、炎症の程度や骨の吸収状態などによって異なります。
比較的軽度で、炎症が軟組織を中心としている場合には、
・インプラント周囲の清掃
・プラークや歯石などの除去
・ご自宅での清掃方法の改善
などを行い、炎症の改善を目指します。
一方、インプラント周囲炎が進行し、骨の吸収が大きくなっている場合には、これだけでは十分に改善しないことがあります。
その場合には、歯ぐきを開いてインプラント表面を直接確認・清掃する外科的な治療を検討することもあります。

骨の欠損状態などによっては、再生療法を検討する場合もあります。
ただし、すべてのインプラント周囲炎で失われた骨を元通りにできるわけではありません。
非常に進行してインプラントを維持することが難しい場合には、残念ながらインプラントの撤去を検討しなければならないこともあります。
だからこそ、症状が軽いうちに発見・対応することが大切です。
「インプラントがグラグラする」場合は周囲炎とは限りません
ここは以前の記事でもご紹介しましたが、患者さまから、
「インプラントが動いている気がする」
とご相談いただくことがあります。
もちろん、インプラント周囲炎が非常に進行し、骨による支持を失ったことでインプラント体そのものが動いている可能性もあります。
しかし実際には、
インプラント体ではなく、上に装着されている人工の歯や内部のスクリューが緩んでいる
というケースもあります。
この場合は対応方法がまったく異なります。
インプラントが腫れている、痛い、動く、被せ物が取れたなど、
他院で治療されたインプラントに起こるさまざまなトラブルについては、以前の記事でも詳しくご紹介しています。
→ 「他院で埋入したインプラントのトラブルにも対応しています」もあわせてご覧ください。
他院で埋入されたインプラントが腫れている場合もご相談ください
「インプラントを入れた歯科医院が遠方にある」
「引っ越してしまい、以前の医院には通えない」
「何年も前に入れたインプラントなので、どこのメーカーかわからない」
「他院で治療したインプラントでも診てもらえるの?」
というご相談もあります。
当院では、他院で埋入されたインプラントの診察・トラブルにも対応しています。
インプラント周囲の歯ぐきが腫れている、出血する、膿が出るといった症状があれば、まず現在の状態を確認します。
インプラントのメーカーや種類がわからない場合でも、診察やレントゲンなどから得られる情報をもとに、可能な範囲で対応方法を検討します。
もちろん、状態によっては埋入を行った医院や専門医療機関での治療をご提案する場合もあります。
「他院のインプラントだから診てもらえないかも」と、そのまま放置しないことをお勧めいたします。
インプラント周囲炎で最も大切なのは「予防」と「早期発見」
インプラント周囲炎は、進行してから治療するよりも、
できるだけ起こさないこと、そして炎症が軽いうちに発見することが重要です。
そのためには、
・毎日の適切な歯みがき
・歯間ブラシなどによるインプラント周囲の清掃
・歯科医院での定期的なメインテナンス
・歯ぐきや咬み合わせのチェック
・必要に応じたレントゲンによる確認
などが大切になります。
インプラントは治療が終わったその日がゴールではありません。
以前の**「安心して長く使えるインプラント治療を目指して」**の記事でもお伝えしたように、
インプラントを入れたあと、できるだけ良い状態で長く使っていただくところまでがインプラント治療
だと当院では考えています。
インプラントの歯ぐきが腫れた・出血する・膿が出る方へ
インプラント周囲炎は、初期には症状が乏しいこともあります。
一方で、
「最近インプラントの周りから血が出る」
「歯ぐきが腫れている」
「膿のようなものが出ている」
「インプラントが動いている気がする」
といった変化がある場合には、一度状態を確認することをおすすめします。
当院では、院長の私(渡邊)が、大阪大学歯学部附属病院のインプラント専門チームで培った経験を活かし、
インプラント治療だけでなく、治療後のメインテナンスやインプラント周囲炎、他院で埋入されたインプラントのトラブルについても診察しています。
「以前治療した医院にはもう通っていない」という場合でも構いません。
西宮市・夙川・苦楽園をはじめ、芦屋市、神戸市、尼崎市、大阪府近郊で、
インプラント周囲の腫れ・出血・痛み・膿などが気になっている方は、いつでもお気軽にご相談くださいね。
院長 渡邊 翔太