2026年10月25日
こんにちは! 院長の渡邊です。
「周りのお友達はもう大人の歯に生え替わっているのに、うちの子はまだ乳歯のまま…」
「乳歯が抜けてからしばらく経つのに、永久歯が生えてこない」
「永久歯が生えてきているのに、乳歯が抜けない」
お子さんの歯の生え替わりについて、このようなご相談をいただくことがあります。
(歯科では”生え替わり”を”萌え替わり”と書くことも多いです。同じ意味ですので気になさらないでくださいね。)
特に小学校に入学する頃からは、お友達との違いが気になり始める時期でもあります。
今回は、乳歯から永久歯への生え替わりの時期や、生え替わりが遅い場合に考えられる原因、歯科医院で行う検査についてご紹介します。
また、当院が大切にしている「子どもの歯の生え替わりに対する考え方」についてもお伝えしたいと思います。
乳歯から永久歯への生え替わりはいつ頃?
一般的に、乳歯から永久歯への生え替わりは6歳頃から始まり、12~13歳頃まで続きます。
おおよその目安は次のとおりです。

・6~8歳頃:上下の前歯(中切歯)が生え替わる
・7~9歳頃:前歯の隣の歯(側切歯)が生え替わる
・9~12歳頃:犬歯や小臼歯への生え替わりが進む
・11~13歳頃:奥歯の永久歯(第二大臼歯)が生えてくる
なお、6歳臼歯や12歳臼歯と呼ばれる大臼歯は、乳歯と交換するのではなく、乳歯列のさらに奥から新しく生えてくる永久歯です。
これらの年齢はあくまで平均的な目安であり、実際にはかなりの個人差があります。
当院では、一般的な生え替わりの時期から前後2年程度の違いについては、それだけで問題があるとは考えていません。
身長が伸びる時期や成長のスピードが一人ひとり違うように、歯の生え替わりにも個人差があるのは自然なことです。
ただし、これはすべての歯について2年間様子を見てよいという意味ではありません。
歯の種類や左右差、永久歯の位置などによっては、早めに確認した方がよい場合もあります。
歯の生え替わりが遅い原因は?
生え替わりが遅い場合、いくつかの原因が考えられます。
① 単純に成長のスピードがゆっくり
最も心配の少ないケースです。
永久歯は正常に存在しており、歯の形成や萌出(歯が生えてくること)が周囲のお子さんよりゆっくり進んでいる状態です。
特に全体的に生え替わりが遅い場合には、正常な個人差であることも少なくありません。
このような場合は、無理に乳歯を抜いたりせず、自然な生え替わりを待つことが基本となります。
② 永久歯がもともと存在しない(先天性欠如)
永久歯が生えてこない原因の一つに「先天欠如」があります。
これは、生まれつき一部の永久歯が形成されていない状態です。

永久歯が存在しない場合、その上にある乳歯の根が十分に吸収されず、通常の交換時期を過ぎても乳歯が残り続けることがあります。
先天欠如が確認された場合には、乳歯をできるだけ長く残すのか、将来的な歯並びや咬み合わせを考慮して別の治療を検討するのか、長期的な視点で判断する必要があります。
③ 永久歯の生えてくる位置や方向に問題がある
永久歯自体は存在していても、生えてくる方向が通常と異なっていたり、途中で引っかかっていたりする場合があります。
例えば、永久歯が斜めに向かって成長している場合、乳歯の根が正常に吸収されず、乳歯がなかなか抜けないことがあります。
また、顎の骨の中に永久歯がとどまってしまう「埋伏歯」という状態もあります。
このようなケースでは、自然に生えてくるのを待つだけでは改善しない場合があります。
④ 余分な歯(過剰歯)が邪魔をしている
本来の歯の本数よりも多く形成された歯を「過剰歯」といいます。
特に上の前歯の間に過剰歯が存在することがあり、永久歯が生えてくるのを妨げる原因になることがあります。
この場合には、過剰歯の位置や永久歯への影響を確認し、必要に応じて抜歯などを検討します。

歯科医院では何を調べるの?
歯の生え替わりについて判断する際、当院が重視しているのがレントゲン検査です。
お口の中を見ただけでは、顎の骨の中で永久歯がどのように成長しているのかを正確に把握することはできません。
レントゲン写真を撮影することで、
・永久歯がきちんと存在しているか
・永久歯の本数に過不足がないか
・永久歯がどの程度成長しているか
・永久歯がどの方向に生えてこようとしているか
・乳歯の根がどの程度吸収されているか
・今後、どのような順番で生え替わっていくと予測されるか
といった情報を確認することができます。

当院では、おおむね6歳以上のお子さんを対象に、必要性を判断したうえで、年1回程度を目安としたレントゲン撮影をご提案しています。
特に、顎全体を一度に確認できるパノラマレントゲンは、永久歯の数や発育状態、歯の位置関係を把握するうえで役立ちます。
ただし、すべてのお子さんに毎年の撮影が必要というわけではありません。年齢や歯の発育状態、過去の撮影結果などを踏まえて、撮影の必要性や時期を個別に判断しています。
大切なのは、今何本生えているかだけではなく、これからどのように生え替わっていくのかを予測することだと考えています。
当院の考え方|生え替わりが遅いこと自体は問題ではありません
ここからは、当院が子どもの歯の生え替わりについて大切にしている考え方をご紹介します。
まず、当院では「歯の生え替わりが遅い」という理由だけで、異常と判断することはありません。
生え替わりが早いから良い、遅いから悪いというものではないと考えています。
一方で、当院が重視しているのは、最終的に健康で機能的な永久歯列を獲得できるかどうかという点です。
例えば、永久歯が正常な位置に生えてこようとしているのであれば、多少生え替わりが遅くても、自然な経過を見守ることができます。
しかし、乳歯が残っていることで永久歯の萌出が妨げられていたり、歯並びに悪影響が生じると予測される場合には、積極的な介入が必要になることもあります。
具体的には、
・適切なタイミングで乳歯を抜歯する
・永久歯が生えてくるためのスペースを確保する
・必要に応じて矯正治療を併用し、永久歯の萌出を誘導する
といった対応を検討します。
もちろん、すべてのお子さんにこうした処置が必要なわけではありません。
何もしなくても自然に生え替わるのであれば、それが最も望ましいと考えています。
「待っていてよい状態なのか」「今、何かしてあげた方がよい状態なのか」を適切に見極めること。
これが、子どもの歯の生え替わりを診ていくうえで、当院が特に大切にしていることです。
普段の食生活も大切に
歯の生え替わりの時期には、日常の食生活にも目を向けてみましょう。
例えば、前歯で食べ物をかじり取ることや、奥歯でしっかり咬んで食べ物をすりつぶすことは、お口の機能を発達させるうえで大切な動作です。
・前歯で適切な大きさの食べ物をかじり取る
・奥歯を使ってよく咬んで食べる
・お子さんの歯の状態や成長に合った食材の大きさ、硬さを選ぶ
こうした習慣を、日常生活の中で意識していただくこともおすすめしています。

ただし、硬いものを無理に咬ませれば歯の生え替わりが早くなる、というわけではありません。
特に乳歯がグラグラしている時期や、前歯が抜けている時期には、食べにくさを感じることもあります。
無理をさせず、その時期のお口の状態に合った食生活を心がけることが大切です。
当院でも、必要に応じてこうした食生活についてのアドバイスを行っています。
こんな場合は一度歯科医院で相談を
生え替わりには個人差がありますが、次のような場合には、一度歯科医院で確認しておくことをおすすめします。
・反対側の同じ歯は生え替わっているのに、片側だけなかなか生え替わらない
・永久歯が生えてきているのに、乳歯が抜けずに残っている
・乳歯が抜けてから長期間経過しても、永久歯が生えてくる様子がない
・永久歯が本来とは違う場所から生えてきている
・生え替わりの時期を過ぎても、乳歯がまったくグラグラしていない
これらに当てはまるからといって、必ずしも異常があるとは限りません。
しかし、レントゲン検査などによって原因を確認しておくことで、安心して経過を見守れる場合もあります。
まとめ|大切なのは「生え替わりの早さ」ではなく「これからの歯並び」
子どもの歯の生え替わりには、大きな個人差があります。
周りのお友達より生え替わりが遅いからといって、必要以上に心配することはありません。
一方で、永久歯の本数や生えてくる位置など、見た目だけではわからない問題が隠れている場合もあります。
当院では、定期的な診察や必要に応じたレントゲン検査を通じて、お子さん一人ひとりの歯の成長を確認し、
将来の歯並びや咬み合わせまで見据えた診療を「小児歯科」と考えています。
必要のない処置は行わず、必要なタイミングでは適切に介入する。
そのような考え方で、お子さんの健やかな成長をサポートしていきたいと考えています。
西宮市 夙川・苦楽園エリア、ならびに芦屋市、尼崎市、神戸市、大阪府近郊のエリアで、
お子さんの歯の生え替わりや歯並びについてのご心配をお持ちの親御さんへ、
「まだ乳歯が抜けないけれど大丈夫かな?」
「永久歯がちゃんと生えてくるのか、一度調べてほしい」
そんな小さな疑問でも構いません。どうぞお気軽にご相談くださいね。
院長 渡邊 翔太